沢に向かう浜辺できれいなムラサキ色のハマゴウの花が咲いていました。
日本から東南アジア,オーストラリアに分布し,砂浜などに生育する常緑小低木の海浜植物です。
茎は砂の中を横走し,分岐して群落を形成します。葉は楕円形で,裏面は白色の短毛が密生し,花は紫色でシソの花に似た唇形花,夏に枝の先端に円錐状につけます。果実は球形で,特有の芳香があります。
和名は,海辺の砂浜を這うように生育していることから,ハマハウまたはハマホウと呼ばれていたものが,ハマゴウに転訛したといわれています。また全体に芳香があるところからハマコウ(浜香)の転訛ともいわれています。薬用には果実を用い、生薬名をマンケイシ(蔓荊子)といい,鎮静薬や消炎薬として用います。
昔からハマゴウの果実で作った枕はよく眠れると言い伝えられ,平安時代の貴族も利用していたようです。果実はコルク質になっているので,海水に漂いながら分布域を広げることができます。一方,コルク質なので吸湿性があり,その上,香りがよいことから,枕の素材として利用されたとされます。
僕もハマゴウの枕、作ってみたくなりました。
ハマゴウ/浜栲
シソ科 ハマゴウ属の常緑小低木
学名 Vitex rotundifolia
分布 日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し、海岸の砂浜に群生。内陸の淡水湖である琵琶湖沿岸にも生育。世界では、中国、朝鮮、東南アジア、ポリネシア、オーストラリアに分布。